おっと、その前に御柱祭の起源について知っておいた方がいいですね。
御柱祭の正式名は「式年造営御柱大祭(しきねんぞうえいみはしらたいさい)」。
多くの神社では一定の年をおいて、式年遷宮祭という祭祀が行われますが、これは新殿を造営して旧殿から新殿へ御神体を遷す神事のことをいいます。
諏訪大社の御柱祭も、この式年遷宮祭が独特な形に変化したものであるといえ、七年に一度の寅と申の年に宝殿を造営し、4つの社殿の四隅にあるモミの大木を建て替えるというものなんです。
神木となる16本のモミの木はすべて、長さ約17m、直径1m余り、重さ10トンを超えるという巨木なんですよ。山から伐り出し、各神社までの道中を曳き、最後に社殿を囲むように四隅に建てるまでを、すべて人力で、そして地域の人々の手で行うという、とてもスケールが大きいものなんです。
さて、ここでとある疑問が浮かびます。
4本の柱を建てる理由って何なのだろう?
実はこれ、明確な根拠となるものは無いんです。
先週ご紹介したとおり、諏訪大社には上社と下社があり、それぞれ違う日程、違うルートで行われます。では日程順に、見所を紹介していきましょう。
●上社山出し 4月2日(金)~4日(日)
上社山出しでは、御柱は約12kmの距離を曳行されます。この中では大きく三つの見所がありますよ。
穴山の大曲では御柱が軒先すれすれを絶妙に通りぬけていく
まず最初の難関、主に初日(4月2日)の見所が茅野市の「
穴山の大曲」。ここはカーブが急なだけでなく、道幅もかなり狭い場所。御柱から角のように飛び出ている「めどてこ」に鈴なりに人を乗せたまま、「ヨイサッ、ヨイサッ」の掛け声でこの難所を巧みに通過していきます。ちなみに御柱の角のようになっている「めどてこ」は上社の御柱だけについているものなんですよ。
次の見所は「
木落し」。4月3日、4日の二日間に渡って行われます。
宮川小学校(茅野市)の脇にある傾斜26度の急坂が上社の木落し坂。この坂を御柱は氏子を乗せてくだっていくのです。「めどてこ」はもちろん、そこに人を乗せたまま急坂にせり出す御柱の姿は実に勇壮ですよ。
「ここは木落し お願いだー 心をそろえてお願いだー」上社の木落しで聴こえてくるこの木遣りで、乗る人と綱をもつ人は心をひとつにし、御柱は急坂を下っていくんですよ。
「めどてこ」にも多くの人を乗せたまま坂をくだる
3つの目の見所は、上社だけにある難関の「
川越し」です。こちらも4月3日、4日の二日間行われます。御柱洗いとも言われ、宮川を御柱が曳き子と共に渡っていくんですよ。この時期の宮川は雪解け水が流れこみ、急な流れに加えて凍えるような冷たさ。それすらもろともしない氏子たちの御柱への熱い思いが伝わってきますよ。
バランスをとりながら川を渡る川越しの様子は実に荘厳
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■アクセスについて
御柱祭開催期間中は、交通混雑や駐車場の満車が予想されます。なるべく列車・バスなど公共交通機関をご利用ください。
シャトルバスも運行されますので、ご利用ください。
◎上社御柱祭
諏訪バス(株)茅野駅前案内所 TEL:0266-72-2151
諏訪バス(株)茅野営業所 TEL:0266-72-7141
◎下社御柱祭
下諏訪町御柱祭実行委員会事務局 TEL:0266-27-1111
諏訪地方観光連盟 御柱祭情報センター TEL:0266-26-2102
■お問い合わせ
諏訪地方観光連盟 御柱祭情報センター TEL:0266-26-2102
さて、来週は、下社の山出し、上社と下社の里曳きを紹介します。
お楽しみに。
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